衆議院秘書協議会

海外の制度の紹介

日米秘書制度比較

米国(下院) 日本(衆議院)
社会環境 契約社会。議員事務所も会社的組織であり、同時に国民も政治家は国民代表との意識が強いことから、情報公開の徹底、チェック機能の充実がなされている。 慣習社会。議員事務所も個人商店的なうえ、国民同士の信頼関係で成り立っている社会でもあり、チェック機能が甘くなりがちである。
雇用環境 キャリアアップ社会。実力社会・個人主義社会の為、自己発現の場として勤務先を選択する傾向が強い。  終身雇用的・年功序列型社会。家族主義的色彩強く勤続年数が長くなる傾向にある。
政党状態 政党状態2大政党制が確立されており、また政党色をはっきり出している団体、研究所も多く、議員秘書の人材の受け皿ともなっている。 多党状態にあり、政治と距離を置いた団体、研究所が多く議員秘書の受け皿となる勤務先は少ない。
議員活動費 インボイス方式(※議員職務代表手当制度)。秘書給与、事務所費、通信・交通費など総額に最高限度額があり、支払いについては、その都度領収書の提出が義務付けられている。 費目別事前支給。秘書給与、文書交通費、立法調査費など、それぞれ別建てで支払われ、領収書添付の義務はなし。
政党助成金  なし。  あり。
現秘書制度と
なった経緯
議員立法中心の政治活動を支えるため、現在のスタッフ数へと増員がはかられてきた。 政治・選挙活動遂行の必要性から、増員がはかられてきたが、主として財政上の理由で未だ必要数は満たされていない。
議会の解散 なし。解散が無いため、突然職を失うこともなく、安定的・計画的な政治活動が遂行できる。(再選率90%以上) あり。解散があるため、突然職を失うリスクがあり、安定的・計画的な政治活動が困難。(再選率約60~70%)
立法形態 議員立法のみ。提出法案年間九千余本(うち成立は数%) 閣法中心。議員立法は極めて少ない。
会館事務所
環境
広い。充分な面積を持つ4室があり、受付、秘書室(2つ)、議員室とはっきり分かれており、業務に専念する環境が整っている。 狭い。秘書室、議員室の2室のみのため、来訪者の対応、電話の応対、デスクワークなどの業務に専念する環境にない。
政治活動と
選挙活動
明確に区分けあり。秘書が政治献金を取扱うことは禁止、地元事務所を選挙事務所に使ってはならないなど両活動の間に厳しいルールが存在。 区分けは不明確。常に選挙が念頭にあり、私設、公設秘書を問わず、業務内容が極めて多様にわたり、政治活動との区別が困難。
事務所情報 各事務所の秘書の業務内容、趣味、経歴が紹介された本など多数存在し、国民はどの事務所の誰に相談すれば良いかが分かる。 出版社の刊行物などで事務所住所、議員の経歴、公設秘書の氏名などが分かる程度。

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